INFO and designの近況

2014.05.31

マカオからのインターンシップ生

DesignLife

2014年3月某日、アンドデザイン事務所に一通のメールが来ました。
差出人はマカオの美大生ナタリーさんから。
「インターネットであなたのサイトの作品集を見て、あなたのデザインが好きになりました。グラフィックデザインのインターンシップをやらせてください。」と書かれていました。
「もちろんOKです。」
とすぐに返事をしたかったのですが、あいにく私は中学校一年生程度の英語もできない語学力でした。
でも簡単にNOと言いたくないほど、彼女のメールは丁寧でそして日本愛に包まれた作品集が添付されていました。
私は考えました。
アンドデザインの力だけで受け入れられないのであれば、長野市門前で受け入れればいいのでは。
そしてすぐに仲の良い宿オーナー1166bpの織絵さんに相談しました。
1166bpは長野市善光寺からもほど近い門前の宿屋さん。
価格がリーズナブルとか、ただ寝泊まりできるとかではなく、旅人を助けるその宿屋のオーナーは今回のナタリーさん受け入れにも快く協力することを約束してくれました。

4月1日、織絵さんから「ナタリーさんから宿の予約連絡が来ました」とメール。
これ完全に偶然なんです。
この日は嬉しいやらビックリやらでした。

5月に入ってからはナタリーさん、織絵さん、私で来日予定の5月20日からのインターンシップの打合せをメールで交わしました。
特に織絵さんは日本語も英語も使えることもあり、二人の中間に立ち私たちを繋いでくれました。

そしてインターンシップ当日の5月20日を迎えました。
その夜、私は1166bpにてナタリーと対面しました。
事前のやり取りもあり、私たちは会えたことが本当に嬉しくて抱き合いました。
この日はささやかですがナタリーと友人のリアちゃんのウェルカムパーティーも兼ねて回転寿司へ。
マカオでもお寿司は見かけるそうですが、回ったり、ミニチュア新幹線の上にお寿司が乗せられているのは日本ならではで面白かったようです。

5月21日、いよいよインターンシップ初日スタート。
初日は私のデザイン事務所のある長野市門前を知ってもらうために、ご近所をぶらぶらしました。
この日、私の事務所1Fにあるオーダーメイドパティスリー、ル・シエル・ブルーでは、門前英会話&フランス語教室のダイス先生によるフランス語レッスンが開かれていました。
ダイス先生の滑らかな英会話で、ナタリーも心が和んだようです。
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5月22日、この日はオフの日にしました。
入稿日で手が離せなかったからです。
ナタリーは軽井沢へ行ったようでした。
まだ慣れない日本での行動力の高さに関心しました。

5月23日。
いよいよお仕事スタートです。
千曲市の某社さまにて、杏商品のパッケージデザインの打合せをしました。
この会社さんは中国ともお取引があるので、ナタリーと末永いお付き合いになるといいなぁと思い、このクライアントさんにインターンシップ中のお仕事のお願いをいたしました。
クライアントのある千曲市に行く途中の額屋さんで、この日は仲の良いアーティストのトモヤアーツさんの作品展が開催されていました。
ナタリーはトモヤさんのカラフルで温かな作品に一目惚れ。
彼のファンになりました。
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5月24日。
日本文化が人気のマカオでは、ドラえもん等のアニメも大人気らしく、今日はクライアントの長野朝日放送さんの協力を得て、同社人気番組の『ザ・駅前テレビ』の公開収録に立ちあわせていただきました。
『ザ・駅前テレビ』は9年前に私が番組ロゴを担当した番組だったので、収録を見学させていただけた嬉しさもひとしおです。
最後にタレントの三四六さんら主力メンバー5人のサインをもらい、大満足な見学会でした。
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午後はこの日の宿泊先でもある金属造形作家、角居康宏さんの工房へ。
宿泊のお礼に、ナタリーと私の娘と私でキーマカレーを作りました。
その後寝室に大きな模造紙が広げられました。
角居さんからのサプライズ、お絵かき大会の始まりです。
言葉のあまり通じなかったみんなは、絵が好きという共通点があったので、お絵かき大会は良いコミュニケーションツールになりました。
角居さん、ありがとうございました。
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5月25日。
この日は日曜日と言うこともありオフの日。
私は1166bpら3宿主催のイベント「移住 〜5万円以下のハローワーク〜」に地元代表として参加させていただきました。
長野に魅力を感じている人、サラリーマンとしての働き方に疑問を持っている人、将来を考える学生さん。
いろんな人のいろんな意見が飛び交う、良いイベントでした。

5月26日。
今日はパッケージデザインの進行が中心でした。
夜はテーブルゲームナイトという世界のゲームを遊ぶイベントを、長野市門前のゲームクリエイト会社アソビズムさんに会場をお借りし開催いたしました。
日本語の使えないナタリーにもとことん楽しんでもらうために、地元信州大学教育学部の英語科の学生さんに声をかけたら、彼の友人達も大勢来てくれました。
賑やかで楽しい夜になりました。
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5月27日、ナタリーのパッケージデザインをチェックしました。
美大に行っているだけあり、コツがつかめている良いデザインでした。
商品名を大きくするなど、少しアドバイスしました。

5月28日、昨日のデザインの修正とブラッシュアップをしてもらいました。

5月29日、クライアントへのプレゼンテーションの日。
ナタリーは緊張しているようでした。
プレゼンでは「杏」の文字をダイナミックなタイポグラフィーで表現したA案と、オーソドックスなB案を提案させていただきました。
クライアントはA案が気に入ったようで、A案の方向でブラッシュアップし完成形へと仕上げることにいたしました。
商品化の暁には、マカオへ送ってあげるね、ナタリー。
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5月30日。
インターンシップ最終日。
期間中ことばの殆ど通じない私たちだったけれど、「マカオの海は茶色」とか「高いビルで空が見えない」とか「街中に花がない」とかは解りました。
だからデザイン提出が終わったら絶対に自然溢れる場所に連れて行きたかったのです。
そこで今日はナタリーと札幌出身のウッシーと戸隠へ行きました。
そば打ち体験、忍者体験、奥社の杉の森に鏡池。
長野の自然を満喫できたかな?
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インターンシップ最後の夜は壮行会。
長野でナタリーに出会った多くの人が駆けつけてくれました。
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5月31日。
いよいよナタリーが長野を発つ日です。
午前の早い時間に松葉屋家具店で角居さんの作品展を見学。
その後1166bpに挨拶をし、東京行きのバス停に向かった。
バス停に東京行きのバスが見えてきました。
二人は12日間を想い抱き合いました。
バスに乗る間際ナタリーは「必ず長野に帰ってきます」という言葉を残し長野を去っていきました。
「行ってらっしゃい。私の大切な友達」私は心の中で答えました。

ナタリーもわたしも成長した12日間。
次に会うのは来年の5月、場所はマカオかな?
マカオの美大の卒業作品展では、きっと今よりもずっと大きく成長したナタリーに会えることでしょう。
だってナタリーはポジティブで、勉強熱心な私の友人ですから。